【四谷大塚】6年上 第15回 完全攻略ガイド!各教科の分析・優先順位と弱点克服のポイント
はじめに
中学受験の天王山と呼ばれる夏休みの足音が、少しずつ近づいてくる季節となりました。日々増えていく宿題や難しくなるテストに立ち向かいながら、毎日机に向かっている6年生の皆さん、そしてお子様の体調管理からプリント整理、メンタルケアまで、休む間もなく全力で伴走されている保護者の皆様、本当にお疲れ様です!
四谷大塚「予習シリーズ」6年上も、いよいよ第15回を迎えます。前回の第14回(総合回)でこれまでの復習を終え、ここからはいよいよ入試の合否を分ける超実践的なテーマへと突入していきます。 第15回のラインナップを見てみると、算数は「速さ(2)」、国語は「詩・短歌・俳句/助動詞」、理科は「ヒト」、社会は「政治・外交史(1)」となっています。どれも入試頻出でありながら、お子様がつまずきやすい「罠」がたくさん潜んでいる単元ばかりです。

しかし、焦る必要はありません!すべてを完璧にこなそうとすると親子ともにパンクしてしまいます。この時期に大切なのは、「何が一番重要か(優先順位)」を見極め、「どこでつまずきやすいのか」を事前に知っておくことです。
本記事では、第15回の各教科の内容を分析し、学習の優先順位と「親が教えるときのわかりやすいポイント」を大ボリュームでまとめました。ブログを読みながら、お子様と一緒に「ここは絶対にとろう!」「ここは後回しでOK!」と作戦会議を開くためのヒントにしていただければ幸いです。
第1章:算数「速さの集大成!図形移動と流水算を極める」
第15回の内容分析
算数の第15回は「速さ(2)」です。5年生までに学習した「図形上の点の移動」「通過算」「時計に関する問題」「流水算」の総復習に加え、新出テーマとして「歩幅と歩数」「動く歩道」「シャドー(影)の利用」が登場します。 速さは、中学入試において「割合と比」「図形」と並ぶ最重要単元です。特に今回の内容は、ダイヤグラム(時間と距離のグラフ)や比を駆使して解く、非常に実戦的で高度な問題が中心となります。

やるべきことの優先順位
1. 復習テーマの基本パターンの徹底(優先度:高)
まずは、「流水算(上りの速さ・下りの速さの計算)」「通過算(列車の長さの処理)」「時計算」といった、5年生で学んだ基本公式と解き方を完璧に思い出すことが最優先です。ここがおぼつかないと、応用問題には太刀打ちできません。
2. 図形上の点の移動とグラフのリンク(優先度:高)
「点が長方形の辺上を動くとき、面積がどう変化するか」という問題は入試頻出です。グラフの折れ曲がる点が、図形のどの頂点に来たときなのかを一致させる練習を徹底しましょう。
3. 新出テーマ(歩幅・動く歩道・シャドー)の基本のみ確認(優先度:中〜低)
「動く歩道」や「エスカレーター」の問題は一見難しそうですが、考え方の基本は押さえておく必要があります。「シャドーの利用」などの難関校向けの手法は、基本が仕上がってからで十分です。
わかりにくいポイントのわかりやすい解説
この単元で子どもが最も混乱するのは、新しく登場する「動く歩道」や「エスカレーター」の問題です。「自分が歩く速さと、エスカレーターが動く速さが混ざってパニック!」となってしまいます。

保護者の方が教える際の最大のコツは、「動く歩道は『流水算の川の流れ』と同じだよ!」と気づかせてあげることです。 「川をボートで下る時は、ボートの速さに川の速さが足されるよね? 動く歩道も同じ! 自分の歩く速さに、歩道の動く速さを足せばいいんだよ」と、すでに知っている「流水算のルール」に置き換えて説明してあげてください。 また、「歩幅と歩数」の問題は、必ず「1歩の幅 × 歩数 = 進む速さ」という表を書かせるようにすると、視覚的に整理されてミスが激減します。

第2章:国語「詩・短歌・俳句の世界と、文法の壁『助動詞』」
第15回の内容分析
国語の第15回は、読解テーマが「詩・短歌・俳句」、知識テーマが「単語の学習①(助動詞の総復習)」です。 物語文や論説文とは全く異なるアプローチが求められる「韻文(詩など)」の読解と、多くのお子様が苦手意識を持つ「文法(助動詞の識別)」という、非常に重たい二本立てとなっています。

やるべきことの優先順位
1. 助動詞の識別ルールの完全暗記(優先度:高)
「れる・られる」「ない」「う・よう」「た(だ)」といった助動詞の識別は、知っていれば一瞬で解ける得点源です。特に「ない」が助動詞か形容詞かの見分け方は、入試でも頻出ですので最優先で固めましょう。
2. 詩・短歌・俳句の「表現技法」と「季語」の確認(優先度:高)
「擬人法」「倒置法」「比喩(直喩・暗喩)」といった表現技法の名称と意味を正確に覚えること。また、有名な季語(五月雨=夏、天の川=秋など)を確認しておくことが重要です。
3. 詩の心情の深い読み取り(優先度:中)
詩の言葉から筆者の深い心情を読み取る問題は、大人でも意見が分かれるほど難しいことがあります。完璧を目指さず、「まずは情景(どんな景色か)を思い浮かべる」ことに集中させましょう。
わかりにくいポイントのわかりやすい解説

国語の第15回で子どもが一番つまずくのは、「ない」の識別です。 「この『ない』は助動詞?それとも形容詞?」と聞かれても、感覚で答えて間違えてしまいます。
これを一発で見分ける魔法の言葉を教えてあげてください。 「『ない』を『ぬ』に変えて、意味が通じれば助動詞、変になったら形容詞(または形容詞の一部)だよ!」
- ・例1:「本を読まない」→「本を読まぬ」(通じる!=助動詞)
- ・例2:「危ない」→「危ぬ」(変だよね!=形容詞の一部)
- ・例3:「本がない」→「本がぬ」(変だよね!=形容詞)
このように、感覚ではなく「置き換えのルール(作業)」として教えてあげることで、文法問題はパズルを解くように楽しく、確実に得点できるようになります。

第3章:理科「人体と地球環境〜膨大な暗記をどう乗り切るか〜」
第15回の内容分析
理科の第15回は「ヒト」です。内容は「1. ヒトのからだと誕生」「2. ヒトと環境」に分かれています。 消化器官、呼吸、心臓と血液の循環、排出、骨と筋肉、感覚器官、脳、そしてヒトの誕生から環境問題まで、とにかく覚えるべき用語と図解が山のように押し寄せてくる、暗記の最難関単元の一つです。

やるべきことの優先順位
1. 消化器官と消化液(酵素)の完璧なリンク(優先度:高)
「どの器官から」「何という消化液が出て」「どの栄養素を分解するか」が一番よく出題されます。デンプン・タンパク質・脂肪の3つの消化の旅を、図とセットで覚えましょう。

2. 心臓のつくりと血液の循環ルート(優先度:高)
心臓の4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)の名前と、全身をめぐる血液のルート(動脈血と静脈血の違い)を正確に図から読み取れるようにします。
3. ヒトの誕生・環境問題(優先度:中)
胎盤やへその緒の役割、地球温暖化や酸性雨といった環境問題のキーワードは、ニュースなどとも関連づけながら大まかな流れを押さえておきます。
わかりにくいポイントのわかりやすい解説
理科の人体で子どもが絶対に一度は引っかかるのが、「心臓の右と左が図だと逆になる問題」です。 テキストの図を見ると、向かって右側に「左心房」、向かって左側に「右心房」と書かれています。「なんで右にあるのに左なの!?」と混乱するお子さんが非常に多いです。

ここでのわかりやすい教え方は、「テキストの図は、お医者さん(自分)が、ベッドに寝ている患者さんと向かい合っている状態なんだよ」と教えてあげることです。 「患者さんと向かい合っているから、自分の右手が患者さんの左手側になるよね? だから図では右と左が逆に見えるんだよ。自分の胸に図を当てはめてごらん!」と、実際に体を動かして確認させると、すんなりと納得してくれます。
消化酵素の暗記も、「だ液→デンプン」「胃液→タンパク質」「胆汁→脂肪を助ける(酵素はない)」と、呪文のように口に出して、テンポよく一問一答を繰り返すのが一番の近道です。

第4章:社会「歴史の総復習開始!政治・外交史を縦の糸でつなぐ」
第15回の内容分析
社会の第15回は「政治・外交史(1)」です。ここから、いよいよ歴史分野の本格的な総復習が始まります。 今回は「旧石器・縄文時代」から「鎌倉時代」までを一気に駆け抜けます。5年生で学んだ時は時代ごとに「横の糸」で学びましたが、今回は「支配者は誰か」「中国との関係はどうだったか」というテーマに沿って「縦の糸」で歴史をつなぎ直す学習になります。

やるべきことの優先順位
1. 各時代の「最高権力者」の変遷を押さえる(優先度:高)
大王(天皇)→貴族(藤原氏の摂関政治)→上皇(院政)→武士(平氏・源氏の幕府)という、誰が政治の実権を握っていたかのバトンタッチの流れを正確に言えるようにします。
2. 中国・朝鮮半島との外交史の整理(優先度:高)
「漢委奴国王」の金印(弥生)→遣隋使・遣唐使(飛鳥・奈良・平安)→日宋貿易(平安末期・平清盛)という、外国とのつながりを時代順に整理します。
3. 年号の丸暗記より「因果関係」(優先度:中)
細かい年号を必死に思い出すよりも、「なぜ貴族が力を失い、武士が力を持ったのか(荘園を守るため)」といった、歴史の「理由(因果関係)」を自分の言葉で説明できる力を育てましょう。
わかりにくいポイントのわかりやすい解説
歴史の総復習で子どもがパニックになるのは、「平安時代」のような長い時代の中で、誰がトップだったかがごちゃごちゃになってしまうことです。

保護者の方がサポートする際は、「権力の奪い合いゲーム」としてストーリー仕立てで教えてあげるのがコツです。 「最初は天皇が一番偉かったんだけど、藤原氏が自分の娘を天皇と結婚させて、おじいちゃんとして政治を乗っ取ったよね(摂関政治)。でも、藤原氏と親戚じゃない天皇(白河上皇)が出てきて『俺がルールだ!』って始めたのが院政。そのボディーガードとして雇われた武士(平清盛)が『俺たちの方が強いじゃん!』って権力を奪ったんだよ」
このように、「誰が、どうやって権力を奪ったか」というドロドロの人間ドラマとして歴史を語ってあげると、ただの暗記だった用語が「生きたストーリー」として頭に定着し、並び替え問題などにも強くなります。

おわりに:受験生と、最強のサポーターである保護者の皆様へ
ここまで、四谷大塚6年上・第15回の各教科の学習ポイントと優先順位についてお話ししてきました。いかがでしたでしょうか。
6年生のこの時期は、算数の応用問題や理科の膨大な暗記、そして社会の歴史の総復習と、本当に息をつく暇もないほどヘビーな内容が続きます。「いくら教えてもすぐに忘れてしまう」「昨日できた問題が今日できない」と、お子様も保護者様もイライラしてしまったり、焦りを感じたりする日があると思います。
でも、どうか安心してください。 今、目の前にある壁がとてつもなく高く見えるのは、お子様がそれだけ高いレベルの学習に挑んでいる証拠です。大人でも逃げ出したくなるような複雑な計算や暗記に、11歳や12歳の子どもたちが毎日必死に向き合っています。重いテキストが入ったリュックを背負い、机に向かうその背中は、私たちが思っている以上にたくましく成長しています。

テストの点数や偏差値が思い通りにいかない時こそ、「ここは間違えたけど、この図形の問題は自力で解けたね!」「心臓の右と左、ちゃんとわかってるじゃん!」と、小さな「できた!」を全力で承認してあげてください。 子どもにとって、親の笑顔と「よく頑張っているね」という温かい言葉が、何よりのエネルギーになります。
中学受験は、親子の絆を深めるための壮大なプロジェクトです。完璧を求めず、焦らず、比べず、ご家庭のペースで「捨てる勇気」と「基本の徹底」を大切に進んでいきましょう。 やがて来る夏休みの過酷な日々を乗り切るための準備は、もう始まっています。 すべての受験戦士たち、そして一番の味方であり最強のサポーターである保護者の皆様に、心からのエールを送ります。明日からも一緒に、前を向いて頑張りましょう!




