【開業医の父、娘の中学受験に伴走する】偏差値ではなく「基礎の穴」を見る。モチベーションを変えた親の役割【part3】
「診療では患者さんの人生に向き合っている。では、我が子の人生に向き合う時、私は何ができるのか。」

朝の「おしながき」と夜のポモドーロテクニックを取り入れ、限られた時間の中で娘の受験勉強に伴走する日々。次に向き合うことになったのは、テストや模試の「結果」との付き合い方でした。
数字を追うのではなく「基礎の穴」を探す
四谷大塚に通う前、娘は日能研などの模試を受けていました。成績は良かったり悪かったりと波がありましたが、私自身は「偏差値」という数字そのものを血眼になって追うようなことはしませんでした。
それよりも強く感じていたのは、「基礎ができていないところを、地道にやるしかない」ということです。

模試で間違えた問題や、日々の家庭学習で解かせた様々な基礎問題を通して、「今、この子は何がわかっていないのか」をひたすら探りました。そして、つまずいている部分を見つけたら、娘が確実に「わかる」ところまで一度戻り、そこから再び積み重ねるようにしたのです。
親の役割は「難易度と順番の調整役」
この地道な作業を続けるうちに、娘に小さな変化が生まれました。
わかるところまで戻って基礎からやり直すと、やはり「解ける」ことが嬉しいのでしょう。次の問題に対しても、逃げずに積極的に向かえるようになっていったのです。

「頑張っているのに解けない」という状態は、大人でも辛いものです。子どもならなおさら、やる気を失って悪循環に陥ってしまいます。だからこそ、親である私の役割は「ただ勉強をやらせる」ことではなく、娘が解くべき問題の範囲や難易度を調整し、順番を決めることなのだと気づきました。適切なステップを用意してあげれば、子どもは自分で階段を登っていくことができるのです。
転塾と週テストで見えた「やる気のスイッチ」
その後、娘は四谷大塚へと転塾しました。これが彼女のモチベーションにおいて、ひとつの大きなターニングポイントになりました。
四谷大塚では毎週末に「週テスト」があります。何回かこのテストを受けていくうちに、娘の勉強に向かう姿勢が明らかに前向きになっていくのを感じました。その理由は明確で、「この1週間で何をやるべきか」が小学生の娘にもはっきりと見えるようになったからです。

さらに、週ごとに範囲が決まったテストとはいえ、良い点が取れると校舎に自分の名前が張り出されます。この「目に見える評価」が、娘のやる気にしっかりと火をつけてくれました。
成績より先に見るべきだったもの
親が模試の総合的な偏差値ばかりを見て「ここが足りない」と指摘しても、小学生にとっては範囲が広すぎ、何から手をつけていいのかわからなくなってしまいます。

一週間という短いスパンで目標を設定し、親が基礎の穴を見つけて難易度を調整する。そしてテストに挑み、できたら名前が張り出されるという成功体験を積む。このサイクルがうまく回り始めた時、娘は「やらされる勉強」から少しずつ抜け出し始めていました。
親が見るべきは、遠い目標の偏差値ではなく、目の前の「基礎の穴」と、それを乗り越えた時の子どもの「小さな喜び」だったのです。



