【開業医の父、娘の中学受験に伴走する】AIを使う親、AI時代を生きる子ども。膨大な見直しを乗り切るデジタル活用法【part6】
「診療では患者さんの人生に向き合っている。では、我が子の人生に向き合う時、私は何ができるのか。」
「大丈夫、大丈夫」と声をかけ続け、安心できる環境づくりに努めながら迎えた6年生の夏休み。私たちは、精神的な壁とは別の、ある「物理的な壁」に直面することになりました。それは、圧倒的な「量」です。
夏休みに立ちはだかった「量」の壁
夏休みに入ると、塾から持ち帰るテキストの量は一気に膨れ上がりました。それに伴い、間違えた問題をやり直すための「みなおしノート」の数もどんどん増えていきます。

算数、理科、社会と全範囲の総復習が始まったため、日々間違える問題のピックアップだけでも途方もない時間がかかります。ハサミでテキストを切り抜いてノートに貼り付け、解説を書き写す……。このアナログな作業を続けていては、娘のサポートどころか、親である私自身がパンクしてしまうのは目に見えていました。
テキストのデータ化がもたらした革命
そこで私は、思い切ってやり方を変えることにしました。テキストをすべてデータ化(スキャン)し、タブレットやPC上のPDFで「みなおしノート」を作成することにしたのです。

この「データ化」の効果は絶大でした。間違えた問題をスクリーンショットで切り取り、PDFのノートに貼り付けるだけで済むため、ノート作成の労力は劇的に削減されました。
さらに大きなメリットは、夏以降に受験校の過去問演習が本格化して莫大な量の見直しが発生した際、データ化してあったことで「過去のみなおしの類題」を瞬時に検索し、並べて提示できたことです。紙のノートの束をひっくり返して探す手間がなくなり、効率よく苦手範囲の穴埋めができるようになりました。
理科と社会の解説作成に「AI」を活用する
もうひとつの大きな課題が、間違えた問題の「解答解説の作成」でした。
算数に関しては、私自身で解いて娘に教えることができましたが、理科と社会はそうはいきません。膨大な知識事項に対して、テキストや参考書をいちいちめくって調べ、小学生にわかりやすい解説を1から作成するのは、働きながらでは限界がありました。
そこで、私は理科と社会の解説作成に「AI」を導入することにしました。
間違えた問題のテーマをAIに入力し、小学生向けの解説を出力させるのです。もちろん、AIの回答が間違っていないかどうかのファクトチェックは親の目で必ず行いましたが、それでも白紙から参考書を調べて作成する労力に比べれば、圧倒的な時間短縮になりました。
AIを使って「周辺知識をつなげる」
AIを活用して良かったことは、単なる時短だけではありません。
プロンプト(指示)を工夫することで、「この問題に関連する周辺知識もまとめて教えて」とAIに出力させ、それを解説に盛り込むことができました。

これにより、娘は「単発の知識」を暗記するのではなく、関連する事柄を「つながった知識」として定着させることができたのです。これも、実質1年という短期間で効率よく成績を上げるための大きな武器になりました。

AI時代を生きる子どもに見せる「親の背中」
受験伴走を通じて、私は娘の目の前で当たり前のようにテキストをデータ化し、AIを使って情報を整理する姿を見せてきました。
これからのAI時代を生きる子どもたちにとって必要なのは、知識をただ暗記することではありません。「テクノロジーを道具としてどう使いこなし、自分の課題解決に役立てるか」という力です。
私がAIを活用して伴走する姿を見せること自体が、娘にとってひとつの生きた教育になっていたのではないか。今振り返ると、そんな風に思えます。




