【開業医の父、娘の中学受験に伴走する】夫婦で受験を見る難しさと大切さ。「チーム医療」のような家族の連携【part8】
「診療では患者さんの人生に向き合っている。では、我が子の人生に向き合う時、私は何ができるのか。」
中学受験は親子のプロジェクトであると同時に、夫婦のプロジェクトでもあります。親同士で教育方針に温度差が出たり、意見が衝突したりするという話はよく耳にしますが、我が家の場合、実質1年という短期間を走り抜けるために、明確な「分業と連携」の体制をとっていました。

「勉強担当」と「環境・情報担当」の完全分業
開業医である私が勉強のサポートに特化する一方で、妻にはそれ以外の膨大なタスクを一手に担ってもらいました。

塾の送迎、毎回の食事やお弁当作り、プリントの整理、そして日々の体調管理。これだけでも大変な労力ですが、さらに妻には「志望校選定」という極めて重要なミッションをお願いしていました。
妻は何校もの学校説明会に足を運び、娘の性格や雰囲気に合いそうな学校をピックアップし、実際に娘と一緒に学園祭へ出向いてくれました。
私が家の中で「おしながき」を作り、見直しノートを作成している間、妻は外で足を使って情報と選択肢を集めてくれていたのです。
家族全員で決める志望校
妻が説明会などで聞いてきた内容や、実際に足を運んで感じた学校の雰囲気、通学のアクセスなどの生きた情報は、その都度細かく私に共有されました。

志望校を決めるにあたっては、妻が集めてくれた情報と、私が見ている娘の現在の実力、そして何より娘自身の気持ちをすり合わせ、文字通り「家族会議」で決定していきました。
あらかじめ役割が明確に分かれており、お互いの領域を信頼して任せていたため、夫婦間で意見が大きく食い違うようなことはほとんどありませんでした。
コンディションの波を補い合う「クロス・フォロー」
役割分担ができていたとはいえ、私たちも人間です。いつも完璧にいくわけではありません。時には親の感情が揺れ動き、娘にぶつかってしまうこともありました。
娘が勉強に対してやる気を見せず、私が思わず語気を強めて怒ってしまった時は、すかさず妻が間に入って娘をフォローしてくれました。

逆に、食事やお風呂の時間が長引いて睡眠時間を削ってしまったり、朝なかなか起きられなかったりといった生活態度の面で妻が怒った時には、私が娘のフォローに回りました。
自分が冷静さを失っている時は、相手が冷静に場を収める。家族とはいえ、全員が毎日ベストなコンディションでいられるわけではありません。だからこそ、誰かの調子が悪い時は別の誰かがカバーに入るという「クロス・フォロー」の体制が自然と出来上がっていました。
家族というチームで戦う

私が不在の夜は、妻が私の用意した「おしながき」に沿って娘の勉強を見守ってくれました。そして私が帰宅してから、見直しの解説を作成してバトンを受け取る。

思い返せば、それは私のクリニックで行われている「チーム医療」そのものでした。医師、看護師、スタッフがそれぞれの専門性を生かし、患者さんという一つのゴールに向かって連携し、フォローし合う。我が家の中学受験も、まさに家族というチームが一丸となって挑んだ総力戦でした。
この連携があったからこそ、私たちは最後まで走り切ることができたのだと確信しています。




